2016年12月31日土曜日

お気に入りの道具

今年も去年から続いている怒涛の日々のおかげで、
このブログも途中まで書いては放置が続いたまま、
ついに新年を迎えるギリギリとなってしまいましたが、
結局、書きかけのものは量が多すぎてギブアップ。

今日は朝から例年のようにおせち料理を作っていました。
そこでふと思い出したのが、
いつも使っている料理用の木ベラです。
下は最初にイギリスに留学した1980年代後半に
当時住んでいた家から一番近い商店街のスーパーの隣の雑貨屋で見つけて、
それからずっと使っているものです。
当時の1本70p(およそ150円)という値段まで覚えています。
写真の上は、その後別の場所で入手し、漆を塗って使っているものです。

炒め物から、あんこのように練って混ぜるもの、
きんとんなどを裏ごしする時
鍋やざるを傷つけず力をいれられるので重宝していて、
漆に混ぜる米粉の糊を作る専用のヘラも別に持っています。

この素材はブナ(beech)らしいのですが、
硬くてほとんど減らないし、意外に煮物の汁や油も染みないのです。
(そして、燃えにくい)

実は今年、ほんの数日でしたが、
7年ぶりにイギリスに行く機会があり、
スーパーに行ったらこの木ヘラが売っていたので
嬉しくて買ってきてしまいました。
(あまりに嬉しかったので値段は不明)

最初はここまで白かったのか・・・

買ったのは全く別の店なのですが、
基本の形は20数年、ほとんど変わっていないのもすごいなと思います。
この他、シチューなどを混ぜる大きいスプーンもあるのですが
今回はたまたま見つけられませんでした。

自分で削って何かに使おうと思い、いくつかまとめて買っていましたが、
驚くほど硬くて小刀や彫刻刀の刃が立たず、挫折しました。
ヘラの持ち手部分の角を落とすのも一苦労。
ブナは硬いけれど粘りがあって折れにくいので
曲木にも使えるのは納得です。
日本では青森のブナコ細工にも使われますね。

イギリスにはブナはあちこちに生えていて、
秋に落ちる小さい実も食べると美味しいんですが、
大概リスに先を越されてしまいます。

イギリス人て、Morrisみたいな木枠が丸見えの自動車も作っちゃうくらいで
木が好きなんだろうなといつも思います。
イギリスの話も来年、時間を見つけて書こうと思っています。